正男ちゃんの本箱

正男ちゃんと呼んでくれるのも今はもう父方の甥と姪のふたりだけ、で命名してみた。

古い柱時計


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  「正男ちゃんの本箱」の上に今はもう止つて時を刻まなくなつて久しい古い柱時計が掛かつている。昭和レトロ、OPAL製のゼンマイ式・ねじ巻きの振り子時計だ。壮年だつた頃の父が買つて来たとかで、爾来、三軒の我が家の柱や壁に吊されて80年は経つただろう。30年ほど前にその方の技術を持つ時計店に持ち込んで直して貰つたことがある。が動いたのはその当座だけで、暫くするとまた動かなくなつてしまつた。ボーン、ボーンと時刻を告げる機能は残つていて、時折鳴らしてみることがある。それは三つ四つ、十二まで今も正しく打つ。針は七時十八分を指して止めてあるが、これは中勘助先生の死去された時間。